トップページ > プログラム案内 > 学生ボランティアチャレンジ > 「「空き家・空き室を社会に活かす」をテーマにしたフォーラムの運営のお手伝い」プログラム体験記事

掲載日:2022年3月10日

記事タイトル「コーヒー豆カスの回収からはじまるエコ活動」

執筆:岡村

 高齢者、低額所得者、被災者、障害者、子育てする者、大学生、外国人等(要配慮者)の居住支援や生活支援等を会員が行う事により、地域福祉の増進や住みやすいまちづくりに貢献することを目的として設立されたNPO法人くらしコープさん。具体的には、平成16年7月から要配慮者の居住支援(入居に係る情報提供、相談、登録住宅の家賃債務保証)や生活支援(清掃、食事等のお手伝い、清掃業者、工務店の紹介)などを行っています。

 今回は、NPO法人くらしコープで住宅セーフティネットフォーラムを担当する椋平さんのお話を聞き、同法人が主催する「住宅セーフティネットフォーラム」に参加してきました。

当日の活動内容について

 「住宅セーフティネットフォーラム」は、高齢者、低額所得者、被災者、障害者、子育てする者、大学生、外国人等(要配慮者)の居住支援の理解と協力を求める事を趣旨として開催されました。NPO法人くらしコープ福島副理事長の方の挨拶からはじまり、高齢者福祉や低額所得者福祉等の専門家・住宅セーフティネット制度を利用された方からのお話、住宅セーフティネット制度についての説明が行われました。2時間にわたり、会場とオンライン参加をあわせて40名ほどが参加しました。様々な立場の方たちが協力して、地域をより良くしていく過程を学ぶことができました。

Q.居住支援に取り組むことになった経緯を教えてください。

 2016年に京都府が京都府地域創生戦略に基づく新しい住宅施策として、高齢者宅の空き室に低家賃で大学生が同居・交流する次世代下宿「京都ソリデール」事業を立ち上げました。その事業に学生さんと高齢者をマッチングする事業者として当法人のグループ法人である京都高齢者生活協同組合くらしコープが手をあげました。ここ5年程活動をしてきましたが、委託費が初年度は100万円程で運営してきました。2年目は50万円、今年度に至っては40万円を切っていると思います。

 実施体制が厳しくなった中で、京都府から「こういう事業がありますよ」と紹介されたのが、この居住支援事業です。いろんな手続きを経て、国土交通省から人件費を含む補助金が出ています。こちらの居住支援事業が低所得者、障害者、高齢者といった住まいに困っている人を対象としており、当法人が昨年から取り組んできました。

Q.要配慮者の居住支援ではどのようなことをされていますか

 当法人では、賃貸住宅会社のように、要配慮の方々へ直接的に住まいを提供すること自体は難しいですが、本来事業である生活支援の実績を活かして入居の相談や入居の支援、入居された後の見守り活動をしています。病院のソーシャルワーカーなど、それぞれのキーパーソンの方と連携しながら、住んだ後の見守り活動を行っています。

Q.大家さんが家を貸しにくい状況がある中での、普及啓発の難しさを教えてください。

 当法人への居住支援に関連する相談が、2020年度は10件、2021年度は17件ありました。住宅確保要配慮者の方々がたくさんいるにもかかわらず相談件数が少ないです。また、ご相談いただいたとしても、支援が可能な住宅がまだまだ少ない状況にあります。そのため、今回の「住宅セーフティネットフォーラム」を開催させていただくことになりました。

 空き家等を社会に生かしたい方は、当法人だけではなく、フラットエージェンシーさん、京都くらし支援センターさんなど、居住支援法人に相談いただきたいと思います。

 賃貸住宅を探しておられる要配慮者の方々、支援ができる方々は、当法人だけでなく、京都市の住宅政策課、京都市住宅供給公社、居住支援法人にご相談いただくということも可能です。入居の支援に加えて、入居後のフォローも行政機関と連携しながら行います。

Q.今後の活動はどのようにしていきたいですか?

~ 空き家等を活用した住宅セーフティネットが充実し要配慮者も住み慣れた地域で安心して生活できる北区 ~

 空き家等を活用した住宅セーフティネットの強化を図っていこうということが平成29年度の法改正で行われました。低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子育てする者、大学生など住宅確保要配慮者の方々に対して、賃貸住宅の供給促進計画を都道府県そして市町村がつくれるようになりました。

 京都は空き家がかなり多く見受けられます。その空き家を行政などと連携しながら活用できる方策を増やして行きたいと考えています。北区は、居住支援法人、京都くらしセンターさん、NPO法人くらしコープ、フラットエージェンシーさん、高齢者等入居サポーターなど居住支援団体が多くあります。今後、住宅セーフティがさらに充実していけるポテンシャルを持つエリアです。それを踏まえて、空き家等活用した居住支援など充実した場所になればと考えています。

インタビューを行った学生の感想&インタビュー

 活動に参加する前に、漠然と、孤独死などを気にして、高齢者の方に大家さんは家を貸しづらいなどの問題は聞くことがありました。今回の活動で、①さまざまな団体や個人が生活支援や普及・啓発などの多種多様の方策を行い、行政も深く関わっている点、②高齢者や障害者だけでなく子育てをする人や大学生など若者でも支援を受けられる点を新たに学ぶことができました。

 加えて、支援の対象として挙げられている要配慮者に該当しない人でも、気兼ねなく支援を受けられることから、支援団体との関わりに親近感を得るきっかけになったことや、活動に地域の繋がりを強く感じることができたこともよかったです。

参加プログラム

活動先団体名

NPO法人くらしコープ

団体の理念・活動概要

■団体の理念

 高齢者、低額所得者、被災者、障害者、子どもを養育する者、学生等(要配慮者)を対象に、その生活を元気な会員が直接支援する事業や必要な支援を斡旋する事業を行うことにより、会員がその豊かな経験、技能、知恵などを生かし、はたらくことによって、生涯を生きがいをもって元気に生き抜くこと。そして、地域福祉の増進や住みやすいまちづくりに貢献すること。

■活動概要

①要配慮者の生活支援

 要配慮者の生活を支援する事業や、生活全般に必要な支援を斡旋する事業

②要配慮者の居住支援

 要配慮者(高齢者、障害者定額所得者等)の賃貸住宅の入居相談、入居支援、入居後のフォロー

団体連絡先

住 所:〒603-8232 京都府京都市北区紫野東野町1の5

電 話:075-432-3636

メール:info@kyoto-koureikyo.jp

H P:https://k-coop.jp/npo/

SNS:https://www.facebook.com/NPOKURASHICOOP/