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掲載日:2022年3月10日
執筆:石川・中村・藤永
一般社団法人森のようちえんどろんこ園さん(以下、どろんこ園さん)は、「森のようちえん」と⾔われる幼児の野外を中⼼とした活動のネットワークに加盟された、森のようちえん団体安全認証団体です。⾃然が豊かな広々とした空間で、ゆっくりと時間を過ごし、意図的に⼤⼈の考えや考え⽅を強要せず、⼦どもが持っている感覚や感性を信じ、そして引き出すようなかかわりを⼤切にしています。
決まった時間割や設定保育はほとんどなく、⼦どもたちの⾃ら考えるちからを育む場です。保育⽅針として、⾃⼰肯定感を⾼めることや、仲間の中で⼤⼈も⼦どもも⾃分の気持ちを感じ表現し、相⼿の気持ちに気づいていく中で⼈間関係を深く学び合うことなどがあり、園児は勿論、職員や保護者の繋がりも深い場です。
活動内容
まず、2021年10月13日に宝ヶ池公園にてインタビューをさせていただきました。子どもの⾃⼰肯定感を伸ばすための保育方針や、10年間活動してきたことの中で⼤切にしていることなど多くのことを伺うことが出来ました。
そして、12月27日の活動⽇当⽇、叡電きららにて⼦どもたちと乗り合わせて(出町柳から鞍⾺)⽐叡⼭に向かいました。当⽇はとても寒く、⼭に近づくほど雪景⾊になっていき、⼦どもたちとその景⾊を楽しみました。⽬的地に到着した後は、メンバーが全員揃うまでの間、しばらく雪合戦や雪だるま作りなど雪遊びを楽しみ、登⼭に向かいました。子どもたちは、⼭道の中でもつららを取ったり、積もった雪の中にダイブしたりと、道中でも全員元気いっぱいで⾃然を楽しんでいました。
登頂後はお菓⼦などを交換して食べながら休憩し、下⼭しました。下⼭した後にはうどん屋さんに入り、みんなで昼⾷を取りました。登山中に⾒つけていたお団⼦屋さんに⼊りたい⼦どもたちが多かったことから、電⾞の時間を少し遅らせて、お団⼦をみんなで美味しく頂きました。
⼦どもたちの各最寄り駅まで送り届けた後は、職員の皆さんから反省点や気づいたこと、更にこれからの活動についてなど丁寧なフィードバックをいただきました。
印象に残っている出来事やエピソード
私が印象に残っている場⾯は、主に2つあります。1つ目は、私が雪での活動に慣れない中、子どもたちがたくさん⼿を貸してくれたことです。私の地元は滅多に雪が降らない地域で、⻑靴や雪⽤の⼿袋などは持たずに参加してしまいました。しかし、そんな私を見て、子どもたちがカイロをくれたり⼿を繋いでくれたりと、たくさん助けてくれて、⽀えてくれました。そんな子どもたちの優しさがとても印象的でした。
2つ目は、何か活動内で困ったことが発⽣した時、どろんこ園さんでは毎回みんなで「相談」をします。例えば、元々決められていた帰りの電⾞までの時間が押してしまった中で、「時間があまりないので〇〇は〇〇にするかどうするか決めようと思いますが、意⾒のある⼈はいますか!」と、どろんこ園さんの園⻑さんが意⾒を募ると、ちゃんと園児のみんなが反応して「こうしたほうがいいよ!」「でもこうだよね。」と発⾔していた場⾯が印象的でした。どろんこ園さんが大切にされている⾃発的な教育が、このような場⾯で現れているのかなと感じました。
活動を通して得られたことや学んだこと
どろんこ園さんの代表である⽯川さんをはじめ、たくさんの保護者の⽅々のご協⼒が素晴らしいと感じました。まだ⼩さな⼦どもたちばかりにも関わらず、怪我⼀つなく無事に活動を終えることができているのは、毎回の事前の準備・事後の反省をしっかりされている成果なのだと感じました。
また、「相談」をしている際にどのようなことが起こり得るか、そのときの対処⽅法など何も考えずに⾏くのではなく、何かあった場合のことを考えて⾏動されている姿を⾒てたくさん学びを得ることができました。
活動に参加する前後でどのような変化があったか
活動を⾏う前は、⼦どもたちとうまく触れ合えるのか、馴染めるのかがとても⼼配でした。しかし、集合した際にそのような⼼配ごとは⼀切なくなるほど、⼦どもたちから私たちに寄ってきてくれたので、とても安⼼しましたし、⼦どもたちに助けられたということがとても印象に残っています。
今後の学生生活に活かしていきたいこと
今回どろんこ園で、本当にたくさんのことを学び、たくさんのことを考えさせられました。⼦どもたちが「もうバイバイなの?」と悲しそうにしてくれたのが嬉しかったため、この⼦達のお⼿伝いをもっとしたいと思えることが出来ました。
今後は、継続的にどろんこ園さんのお⼿伝いをしたり、また、積極的に⼤学外に出て他のボランティアにも挑戦したりしてみたいと感じました。
また、活動後のフィードバックでは、どろんこ園さんの職員の⽅々が⼈⽣経験として積み上げてきたことや、⼤学でやっておくべきことなど、キャリアについて教えていただきました。そのようなお話も、⾃分たちが将来に迷う時期の中ではとても有難いお話でした。⾃分の将来について考える契機をいただいたので、もう少し具体的に今のうちから将来像について考えてみたいと思いました。
感想とメッセージ
【中村さん】
「⼦どもたちと楽しく遊びたい」と深く考えずに参加させていただきましたが、想像以上に楽しく、また⼦どもたちから学ぶことも多かったです。
また、普段は携帯で写真を撮ることに夢中になってしまうこともありますが、「携帯は触らないで!」という⼦どもたちの声で『せっかく空気や景⾊が綺麗な場所にいるのに携帯を見ることは勿体ないな』と気づかされました。
下山後にお団子を買う予定は元々スケジュールにありませんでした。しかし、子どもたちの「買いたい!」という声で電車を一本遅らせてお団子を買いに行くことになり、子どもの純粋さに心温まると同時に、計画通りではなくとも子どもたちの意思を尊重する職員の方々に尊敬の念を抱きました。
⼦どもたちを⾒送った後のフィードバックでは、職員の⽅から「こういう働き⽅もあるよ」と優しく教えていただき、⼤⼈の⽅からは勿論、⼦どもたちや⾃然からも学ぶことが多く、実りある時間になりました。
【石川さん】
私は⼤学⽣になり京都で⼀⼈暮らしを始めてから、⼩学⽣に触れ合うどころか⾒かけることもあまりありませんでした。そのため、このボランティアに参加して⼦どもたちと上手に接することができるのかとても不安でした。しかし、その不安を払拭してくれるかのように⼦どもたちが元気いっぱいに話しかけてくれて、私⾃⾝もとても元気をもらうことができ、不安に思っていたことが嘘だったかのように楽しい時間を過ごすことができました。
また、中村さん同様、私も過去に雪と触れ合った経験が数回ほどしかなく、雪の中での活動に慣れない状況での参加だったのにもかかわらず、子どもたちがたくさん⼿を貸してくれて、ボランティアに参加した私がたくさん⼦どもたちに助けられました。実際に活動していく中で、⼦どもたちが雪の中で⾛り回っている状況を⾒て「危ないよ…!」と⾔ってしまうほど私がハラハラしていたのですが、どろんこ園さんの職員の⽅々はあまり⼦どもたちに声をかけることなく、じっと後ろから⾒守るだけでした。どろんこ園さんがインタビューで仰っていた「なんでも⼝出しをしてしまうのではなく、⾃分たちで考えて⾏動する教育⽅針を取ることで、⾃⽴した子どもに育つ」ということはこういうことなのだと気づかされました。
今回は学⽣Place⁺さんを通じてボランティアに参加させてもらい、どろんこ園さんのイベントに関わらせていただきましたが、また個⼈的にもどろんこ園さんの園⻑さんと連絡をとり、別のイベントにも参加してみたいと感じました。
【藤永さん】
まず、ボランティアを参加させていただくにあたり、ご協⼒いただいた学⽣Place⁺の皆様、ありがとうございました。私は⼦どもと関わることが好きで、このボランティアに興味を持ちました。⼦どもと少し触れ合う程度だと思っていましたが、インタビューのお話をお聞きした際に、⾃然の魅⼒、⼦どもたちの魅⼒に興味を持ち、より積極的に参加したいと思いが強くなりました。何か⽉も延期し、寂しい気持ちでいっぱいでしたが、何とかどろんこ園さんの⽅たちのご協⼒により、ボランティアに参加することができてとてもうれしい気持ちでいっぱいです。
また、⼦どもたち⾃⾝からたくさんの「勇気」をもらいました。無邪気に遊んでいる姿、⽯川さんや中村さんに懐いている姿、与えられた場所でとても楽しんでいる姿、⼀つひとつに感動し、コロナ禍で気分が下がっていた⾃分が情けないほどに、⼦どもたちに勇気づけられました。活動⽇は雪も積もっており、とても寒い⽇でしたが、⼦どもたちに囲まれ、⼼が温まりました。その背景には保護者の⽅々の教育や、環境づくりがとても素晴らしいことが、⼦どもたちにも良い影響をもたらしているのだと感じました。短い時間でしたが、濃い1⽇を過ごすことができました。ありがとうございました。
参加プログラム
活動先団体名
一般社団法人 森のようちえんどろんこ園
団体の理念・活動概要
■理念
人はより良く育ちたい、人の役に立ちたいと願う存在であることを信じ 自ら育つ力を発揮するのを待つ。 自分を認め、ありのままに自分らしく生きる。
■活動概要
森のようちえんとして、10年目となる。
ようちえんクラス 3~5歳児の保育
2歳児クラス 週一回の預かり保育
おやこクラス 週一回の親子参加クラス
森の学校 月一回小中学生のdayキャンプ
団体連絡先
住 所:〒606-0037 京都市左京区八瀬近衛町723−48
電 話:070‐6685‐4640
メール:doronko_kosodate@yahoo.co.jp
H P:https://doronkoen.jimdofree.com/